Land&Sea

物性物理学を研究する大学院生が興味のある対象について幅広く思うことを綴ります。

最近好きな言葉

元気があれば何でもできる

アントニオ猪木さんの言葉だが、これは本当にそうだと思う。元気があればやり直しができるし、やる気が出てくる。健康は大切。

非自明性に面白さがある

研究で最近、おそらく誰も発見したことがない非自明な現象を観測できたらしい。 ラボのミーティングでは最初、誰もその現象の起源を推測できず、自分でも何を見ているのか分からなかった。 しかし、ボスのあるひらめきに基づいた別の角度から検証する実験を行うと、非自明だと思っていた現象の輪郭が3次元的に明らかになり、非常に興味深いメカニズムで生じていることが示唆される結果となった。 より広く再現性の検証が必要だが、もし間違いないようなら、とても嬉しい。

私の研究分野である物性物理学では、数多くの方が分野の行き詰まり感を感じているような気がしている。物性物理学のある界隈では、ある統一的な見方で物理現象を説明しようとする試みが為されてきており、実際、多くの系で成功を収めてきている。 加えて、物理学の特徴として良くも悪くもある単純化された統一的な見方で多くのことを説明可能なように錯覚してしまっているのではないか?

しかし、理論というのはあくまで、自然の輪郭に沿う形で一定のヒエラルキーの範囲で記述するフレームワークに過ぎないわけで、正確性の高い実験事実が理論と反していたからといって、何も問題はないはずだ。 その現象があらたな地平を開くのだから。 これはラディカルな態度だが、理論で説明できる現象に面白さはなくて、 理論で説明できそうにない一見非自明な現象を見つけることが、実験物理学の面白さの一つだと思う。